威嚇で追っ払え トゲを着込むヤマアラシ

2016年06月06日

威嚇で追っ払え トゲを着込むヤマアラシ

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刺さればタダでは済まず、襲う側も命がけ
ヤマアラシはビッシリ生えたトゲで、襲い来る敵を退けます。
攻撃的な見た目なので気性が荒そうですが、威嚇で済ますのがほとんど
トゲはあくまでも防御のため、相手が諦めればそれで良いのです。


・旧世界と新世界

旧世界ヤマアラシと新世界ヤマアラシ、ヤマアラシは2つに分けられます。
上画像に映るのが旧世界ヤマアラシ
アジア、アフリカ、南ヨーロッパで暮らすヤマアラシです。
特徴をまとめると、
・完全な夜行性で、朝から夕方は巣穴に隠れている
・ずんぐりした体形で運動が苦手
・背中から尻尾にかけて、長いトゲがビッシリ
・基本的に草食 たまに動物の骨を食べてカルシウムを摂る
ヤマアラシと言ってすぐ思い浮かぶのはこちらでしょう。

一方、新世界ヤマアラシはまるで違う動物
はじめてアメリカ大陸に上陸した人々が「トゲがある!ヤマアラシだ!」と勘違いしたのが始まりです。
新世界とはアメリカのこと。実際、アメリカヤマアラシとも呼びます。
名前が同じだけなので、特徴がぜんぜん違います。
・夜行性寄りだが、昼間も行動する
・尻尾と肉球でしがみついて木に登る
・棘がビッシリとはいかず、トゲと毛が混じりあって生えている
・昆虫や爬虫類を主食にする種がいる

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新世界ヤマアラシ 旧世界とは違い木の上で暮らす

サイズが大きいげっ歯類、からだがトゲに覆われている
共通点はあるものの、2種のヤマアラシはまったく別の動物なのです。
今回は旧世界ヤマアラシを見ていきましょう。


・攻撃ではなく防御のため 威嚇針撃

「ヤマアラシは気性が粗い」とよく言われますが、それは誤解です。
ヤマアラシの反撃で命を落とす動物は、自分からトゲに突っ込んで自滅したケースがほとんど。
トゲは武器ではなく鎧
攻撃ではなく防御に使うので、自分からは攻撃しないのです。

ヤマアラシは天敵に出会うと、4つのステップで威嚇します。
1、後ろを向いて、相手にトゲを向ける
2、トゲを振ってガサガサ音を出し、危機感を与える
3、歯をカチカチと鳴らせて、攻撃をチラつかせる
4、独特のニオイをまき散らし、最終警告する
徐々に圧力を強めていき、相手がそれで去れば良し。
しつこい相手には攻撃しますが、たいていは反撃を恐れて諦めてくれます。


・鋭く折れやすい 貫通力と安全性の両立

アルミ缶を貫通するほど鋭い、ヤマアラシのトゲ
皮膚の薄い肉食動物にとって、この貫通力は脅威です。
内臓が傷ついて機能不全に陥ったり、刺し傷が原因で感染症を起こしたりと、大惨事につながります。
襲う側も命がけなのです。

ヤマアラシのトゲは鋭い反面、もろくもあります。
内側が空洞になっていて、簡単に折れてしまうのです。
接着力も弱いので、からだを揺すっただけで抜け落ちます。
でもこれは不良品というわけではありません。

もし刺さったトゲが抜けも折れもしなければ、ヤマアラシは身動がとれなくなってしまいます。
群れたライオンやハイエナが相手だった場合、トゲで一頭だけ押えても、別の一頭に頭をかみ砕かれてしまうでしょう。
刺しても簡単に折れれば、次の行動の邪魔になりません。
トゲがもろいのは安全のためなのです。
タグ:草食動物
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