トップハンターの秘密は”絆” 血統主義リカオンの群れ

2015年10月27日

トップハンターの秘密は”絆” 血統主義リカオンの群れ

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Photo by - Emiliano Felicissimo Follow-African wild dogs, puppies
強豪ぞろいのアフリカで、トップハンターの成績を収めるリカオン
その秘密は”群れこそ力”の精神にあります。
1匹1匹は弱くとも、仲間と協力すれば大物を倒せます。
家族を消して見捨てず、強きは弱きを助ける
リカオンは自分より仲間を大事にして生きるのです。


・アフリカのトップハンター 成功率90%目指して

どんな肉食動物も、狩りには失敗がつきもの
ライオンだろうが成功率は30%にも届きません。
ところがリカオンは狩り成功率60%、失敗を上回る成果を出しています。
草木や河川、障害物のない地域では、成功率90%も夢ではありません。
優秀な成績の秘密は、仲間とコンタクトを取りながらの狩り、リカオンの統率力にあります。

リカオンの毛皮は、黒・灰・黄・白が混ざった色合い。
100m先から見つけられる、とても派手な毛皮です。
もし獲物を見失っても、近くにいる仲間の動きを見れば、再び獲物の位置を特定できます。
毛皮は仲間との通信に役立っているわけです。

さらにリカオンは、仲間と声を交わしながら獲物を追いかけます。
走りながらでも、大きな耳のおかげで聞き逃しません。
緻密なコンタクトで獲物の動きを把握
仲間と的確な協力をして追い詰めるのです。

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目立つ模様、大きな耳 どちらも仲間とのコンタクトに使用

先導役のリカオンは、獲物の脚に噛みついて走りを妨害します。
そして追いついた仲間が次々攻撃、獲物を囲い込む
獲物の脚が完全に止まれば、狩りは成功したも同然です。
腹を食い破り、トドメを刺しながら食事を始めます。
1匹に追いつかれたと思ったら、一瞬で全員に取り囲まれていた
リカオンの攻撃コンビネーションは実に鮮やかです。


・弱い者ほど優遇される 仲間を大事に

リカオンの行動は群れ前提。仲間を決して切り捨てません。
病気や怪我で動けない仲間にも、他の仲間が吐き戻してエサを与えます。
吐き戻したエサを子どもに与えるイヌ科は珍しくありませんが、大人にも与えるのはリカオンくらいです。

子育ても群れ前提
子を産むのはリーダーのメスだけですが、子育ては群れ全員で行います。
生後3〜4週間の子どもは、母親がつきっきりで面倒を見るので、他の仲間は母親へエサを与え、巣穴の警護を引き受けます。
生後5週間で離乳すると、仲間は子どもにもエサを与えるようになります。
生後10週間になると群れに参加し、大人と区別されなくなります。
それでも力が弱いうちは、最優先でエサを食べさせてもらえます。
強者は弱者をサポート、群れ全体を強化しよう、という方針なのです。


・血統主義の良し悪し 絆は強く遺伝子は弱く

リカオンは一度の出産で、平均10匹の子を産みます。
1世代で頭数が膨れ上がるので、子が育てば群れ分裂は避けられません。
同性だけでかたまり、そこに異性を1頭加えれば新たな群れの完成です。
血統が近いので、新たな群れも強固な絆で結ばれています。

ただ、群れ全員が似た遺伝子を持っていると、病気への心配が増します。
群れの誰かが抵抗できない病気は、その群れの全員が抵抗できない病気。
誰かが感染すれば、あっという間に群れ全員へ広まるのです。
実際、1匹のジステンパーが原因で、全滅した群れもあります。

遺伝子の弱さを克服するために、群れを出ていくメスもいます。
血縁のない群れで他のメスを追い出し、遺伝子の強い子を産むのです。
追い出されたメスも、それが他の群れへ所属するキッカケとなり、遺伝子をかき乱す役割を果たすようになります。

血統主義は絆を強め、その群れのリカオン全員が生存しやすくなります。
しかしリカオン全体で見れば、絆を壊してでも群れに割り込む、メスの遺伝子拡散も必要不可欠なのです。
タグ:肉食動物
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