カバは水場の暴れん坊 血の汗でボディケア

2015年10月24日

カバは水場の暴れん坊 血の汗でボディケア

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のんきな顔立ちに似合わず、カバはとても凶暴
ケンカで生傷が絶えません。
その傷口から細菌が入らないよう、カバは”血の汗”をかきます。
天然の化粧水で、病気を予防しながら暮らすのです。


・淡水から海水へ カバからクジラへ進化

カバの最大サイズは体長4m・体重2.6トン。サイに並ぶ巨体です。
丸っこい見た目から、かつてカバはイノシシ亜種に分類されていました。
ところがDNA検査によって、カバはブタよりもウシに近縁と発覚
しかもいちばん近い動物はクジラだと判明したのです。

カバとクジラには、生理的な共通点がいくつかあります。
・淡水と海水の違いはあるものの、ほぼ1日中を水中で生活する
・食べた草を発酵させる、前腸が発達している
・前腸に生息する細菌がよく似ている
DNAと腸内構造が決め手となり、カバとクジラは兄弟に認定されました。

共通先祖はアントラコテリジウム、見た目はカバに似ています。
つまりカバが海で生きようとしてクジラに進化した、という説が有力です。
クジラは地球でもっとも大きな生物
先祖を同じくするカバが巨大なのもうなずけます。


・近づくものは容赦なし 凶暴な草食獣

カバは水場をなわばりにし、侵入者は陸にあがってでも追い返します。
全力で走っても時速30kmほど。追いかけられても簡単に逃げられます。
ただ殺傷能力が高く、攻撃を受ければ命はありません。

カバの顎関節は特殊構造で、口を150°まで開けられます。
40〜50pの歯は、ナイフのように切れ味バツグン
侵入者に突進、歯を突き刺せば致命傷になります。
もちろんアゴのチカラも強力。ワニの硬いからだも真っ二つです。
草食動物だというのに、カバの殺傷能力は肉食動物以上なのです。

カバは性格もかなり凶暴
カバに襲われて命を落とす人は、年間で約3000人
ライオンに襲われて命を落とす人は約100人
しかもカバはアフリカ限定ですが、ライオンは全世界の合計人数です。

水場に近寄れば問答無用で襲いかかり、しつこく陸まで追いかけてくる
空腹時しか襲ってこない肉食動物にくらべ、はるかに凶暴です。


・天然の化粧水 血の汗かいて肌を守れ

カバが水場にこだわるのには理由があります。
皮膚が乾燥にとても弱く、水中にいないとひび割れてしまうのです。
また水場はエサが豊富なので、なわばりを維持すれば食事に困りません。

なわばり争いが絶えないので、カバは生傷が絶えません。
水中は雑菌が多いので、傷を放置すれば細菌感染を起こしてしまいます。
なのでカバは”血の汗”を流し、雑菌の体内侵入を防ぎます。

血の”汗”といっても、カバは汗腺を持っていません。
厳密には汗ではなく、ヒポスドール酸
カバの英語名ヒポポタマスから名をもらった液体です。
赤とオレンジの2色素を含んでおり、どちらも病気予防に役立ちます。
赤い色素は抗菌作用、雑菌が体内に入るのを防ぎます。
オレンジの色素は紫外線の吸収作用、皮膚炎やガンを予防します。

血の汗は粘り気が強く、水に洗い流される心配がありません。
傷ついた皮膚を包み込み、雑菌を寄せ付けないのです。
肌の保湿効果もあり、陸上で活動するときにも活躍します。
侵入者を力ずくで排除し、生傷を血の汗で癒やす
カバは次の侵入者を想定し、つねにボディケアに努めています。
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