キリンの首はケンカ上等 長さは強さ

2015年10月15日

キリンの首はケンカ上等 長さは強さ

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大きさと重さはゾウに負けますが、背の高さはナンバーワンのキリン
ですが長い首には苦労がたくさん。
飲食の邪魔になったり、高血圧に悩まされたりしています。
それでもキリンの首が長いのは、繁殖に有利だから。
首のぶつけ合いに勝つため、あえて苦労を背負っているのです。


・高さは武器 自衛も食事もラクラク

最大記録5.88m。地球上でいちばん背が高いキリン。
平均的なキリンでも、二階建ての家より高く成長します。
この背の高さを武器に、キリンは生き抜いてきました。

高さは天敵の発見に役立ちます。
キリンは視力が良く、高い背も相まって、かなり遠くまで見渡せるのです。
先に天敵を発見して移動すれば、襲われる危険がなくなります。
キリンはこの索敵能力で、子どもの安全を確保するのです。
まれに他の草食動物がキリンに近づいてきますが、これもキリンの索敵能力をアテにしているのでしょう。

ビッグサイズの動物は襲われにくく、キリンもまた生存率が高い動物です。
肉食動物の狩りは、獲物ののど元に噛みついて窒息させるやり方。
キリンは立っている限り、肉食動物へのど元をさらす心配がありません。
もし襲われても、キリンならば簡単に返り討ちできます。
背が高いなら、全身も大きいのが道理
巨体を支える足腰は強靭で、繰り出すキックは強烈です。
蹴られれば顎が砕けますから、キリンを襲う動物はほとんどいません。

高い場所の植物を食べられるのも、キリンの特権です。
低い場所の草、花、果実は他の動物と分け合いますが、アカシアはキリンだけが食べ放題。
アカシアの木は、高い場所に枝と葉をつけるので、キリンしか届きません。
他の動物がエサを求めて移動する中、キリンはエサ競争に参加せず、アカシアをのんびり食べています。


・デメリットも大きい 長い首はホントに必要か

「キリンの首が長いのは、高所のエサを食べるため」
遺伝学が未熟な時代では、この説が主流でした。
キリンの先祖が、高い場所の草を取ろうと頑張って首を伸ばす
すると首が長くなり、ほんの少し長い首が子どもに受け継がれる
世代が進むにつれて、首の長いキリンが増えていく
この説は、「長い首が絶対に有利だ」という前提があります。
ところが、長い首は飲食の邪魔になることも多いのです。

背が高いというのに、キリンは低い場所の植物を好んで口にします。
低い場所の葉は柔らかいので、高い場所の葉より効率よく消化できるため。
良いエサのために、キリンはわざわざ首を下げて食事をするのです。
よほど過酷な環境でなければ、長い首はあまり食事に活かせません。

水を飲むときには、長い首がさらに邪魔になります。
前足を精いっぱい広げ、200sの首を下げなければ、水を飲めません。
すぐには立て直せない姿勢なので、突然襲われると危険です。
首が長くなると、水を飲むのも命がけなのです。

キリンは生理的な問題も山積み。
頭部と心臓の距離が離れすぎると、生理活動への影響が大きくなります。
常に深呼吸をしなければ酸欠になる
心臓から頭部へ血液を送るために、血圧が高くなる
首の上げ下げによる血圧変動が激しく、立ち眩みを起しやすい
長い首には、様々なデメリットがのしかかります。


・高さは強さ 上から殴ってケンカを制す

なぜキリンの首が長くなったのかは、自然選択説で説明できます。
不利な遺伝子(首が短い)は子孫を残せない
ゆえに有利な遺伝子(首が長い)だけが残った
これが自然選択説です。

キリンはオス同士で首ゲンカ、ネッキングをします。
ネッキングは勝者だけがメスを得られる、子孫を残すための儀式です。
そしてネッキングで勝つには、長い首のほうが有利だったのです。
生存にどれだけ有利でも、ネッキングに不利な”短い首”では子を残せない
結局、短い首のキリンは淘汰され、長い首のキリンだけが残りました。

ネッキングを言葉通りに取ると、首をぶつけて勝敗を決めるかのよう。
ですが勝敗のカギは、額に生えている2本のツノにあります。
硬いツノで頭を殴られると、脳しんとうで倒れこんでしまいます。
ネッキングとは、ツノで殴って決着をつける行為なのです。

背が高いと上から相手を殴れ、自分の頭を殴られる心配がありません。
首の長さ=ケンカの強さ
キリンは強さを求め、だんだん首が長くなったのです。
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