陸上最大アフリカゾウ 食事とハナの重要性

2015年10月14日

陸上最大アフリカゾウ 食事とハナの重要性

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地上でもっとも大きな動物アフリカゾウ
巨体を維持するには、大量のエサが必要です。
そこで役に立つのが長いハナ
草をむしるだけでなく、水を吸ったりモノを摘まんだり
食べる機能が盛りだくさんです。


・時には人間おびやかす 最強のけもの

過去最大のアフリカゾウは1974年のオス、高さ4m・体重10トン
遠目にわかる存在感は、さすが陸上最大といったところでしょう。

自然界でゾウと闘うことは、死を意味します。
キバが当たれば皮膚が裂け、踏まれれば内臓破裂はまぬがれない。
リスクがあまりに大きく、たとえライオンでも手が出ません。

時にはこの巨体が、人間へ向けられます。
乾季になるとエサが不足し、狂暴な個体が村に押し寄せてくるのです。
木々をなぎ倒し、時速40キロで迫る姿は恐怖そのもの。
家を倒壊させ、住民に重症を負わせ、と暴れ放題です。
3m越えの巨体は、人の力ではどうにもなりません。
かといって麻酔銃で眠らせるにも、ゾウの皮膚は3pと厚く、防弾チョッキ並みの防御力があります。
ゾウを止めるには時間がかかり、騒ぎが収まるころには被害も甚大。
日本で人気者のゾウも、アフリカでは自然災害クラスの恐ろしい存在です。


・生態系に影響大 見事な食べっぷり

巨大な体には、それだけ多くのエサが必要です。
その食べっぷりは、生態系へ影響を及ぼすほど。
ゾウは1日に150sもエサを食べ、100ℓも水を飲みます。
草や葉はすっかり無くなり、樹皮を剥がされた木々だけが残されます。
高所に葉を付ける樹木は、ゾウに倒されて枯れることも。
草木が無くなれば、ゾウ以外の草食動物はエサを食べられません。
草食動物が減ってしまえば、それを食べる肉食動物にも影響が及びます。

ですがゾウは、生態系を破壊してはいません。
食べて出したフンが、植物を育てるからです。
ゾウはフンの量もすさまじく、1日平均で120sもします。
消化されなかった栄養を含むフンは、植物にとっては肥料です。
また、ゾウは歩きながら糞をするので、遠くへ種を運んでもらえます。
植物は若いほど成長が早いので、成長速度がいちばん早い種の状態ならば、爆発的な成長ができるのです。

肥料と一緒に、成長しやすい種を各地にばらまいてくれる。
結果的に植物は、消費量よりもゾウの糞で増える量のほうが多くなります。
ゾウは老いた植物を食べ、若い種をばらまく、生態系のリサイクルをしているのです。


・豆腐から車まで 繊細かつ強靭なハナ

ゾウは体を動かすのが苦手なので、ハナを使って食事をします。
ゾウのハナは、豆腐を崩さず持ち上げる繊細さ、軽自動車をひっくり返す強靭さ、どちらも備わっています。
人間の手のようにハナを使い、食欲を満たしているのです。

ゾウの巨大さは、天敵を追い払うには有利ですが、日常生活には不利。
ひざを折って座るだけでも大変です。
たとえ座っても、地面スレスレの草には口が届きません。
ジャンプできず、後ろ足2本で体を支えることも困難なので、高いところの葉にも口が届きません。
そこでゾウは、ハナでエサを取るように進化しました。
地面の草をむしったり、高い枝の葉を取ったりと、長いハナを活かせば食事が簡単なのです。

ホースのような見た目そのままに、ゾウのハナは水の扱いにも大活躍。
ストローの原理で水を持ち運べ、地面に口をつけず水を飲めます。
シャワーのように噴射して、水浴びも可能です。

繊細な扱いもお手の物で、小さなピーナッツも潰さずに拾えます。
触覚の鋭い突起がハナの先端にあり、そこで物体の大きさや硬さを知り、力を加減するのです。
厳しい環境を生き抜くには、どんな小さなエサでも見逃せません。
ゾウもまた、大雑把な外見に似合わず、繊細なハナの動きで食べ物をかき集めています。

ハナ本来の役割、嗅覚もやはり高性能。
ゾウの嗅覚遺伝子の数は、ヒトの5倍イヌの2倍もあります。
感度が高いので、どんなにおいも逃しません。
ゾウは水のにおいを察知し、水場に生える植物を目指して移動します。
食べ続けるために、エサを探す力―嗅覚が発達するのは当然でしょう。

ゾウの長いハナは単に食事に使うだけでなく、効率よく食べ物を得るための機能が詰まった、スーパー器官だったのです。
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